コック帽の長い~説


<ユニフォーム豆知識>
シェフの象徴的アイテムであるコック帽。なぜあの『長さ』なのでしょう?コック帽の長さは「高さ」、「山丈」とも表現されますが今回はその『長さ』について触れてみたいと思います。

【起源】
フランスの料理人である「マリー=アントワーヌ・カレーム」がお客様の山高帽を見て気に入り、その帽子を真似て被ったのが始まりと言われてます。その後、フランスに修行に行った日本人がその帽子をみて真似をし国内に広めたと言われてますが「帽子の長さ」が地位を表すという部分は日本独自のもの。
発祥の地、フランスではコック帽の長さはさほど重要ではないと言われてます。

【衛生面】
厨房では火を扱うことが多く夏場は特に暑くなり汗をかきやすくなり、熱中症のリスクも生じてきます。衛生面では痒み、皮膚のかぶれなどの問題も出てきます。
コック帽は長い分空間が生まれ通気性が良くなり頭が蒸れにくくなるため快適に仕事をサポートしてくれます。お寿司屋さんの板前さんも帽子(和帽子)を着用していますが、火をあまり使わないため室温が高温多湿になることはないので帽子が長くありません。
中華では強い火力で料理を作るため、厨房が高温になりやすいので長い帽子が使われています。

【ビジュアル】
料理人のトレードマークとなっているコック帽。
例えば、目の前で料理を演出してくれる「鉄板焼き」ではコック帽を被っていない人が料理するのとコック帽を被っている人ではお客様に与える印象も変わってきます。
このようにコック帽には「プロ」という印象を見る人に与える役割も担ってます。
髪の毛落下防止なで基本的な衛生面の役割はもちろんのこと料理を食べに来てくれるお客様にビジュアル面で「安心感」を与えるメリットがあります。

 

【その他】
帝国ホテルでは料理人見習いが18cm、7年目以降のキャリアを持つ料理人が23cm、料理長以上が35cmと帽子の高さが決められています。
また、リーガロイヤルホテルでは管理職が40cm、それ以外の料理人が30cmと決められていますが、お客さんの前に出ない厨房などでは頭のサイズに合った紙製の帽子を被っているとのことです。
また「背の丈を高く見せるため」という意見もあったりと実は奥深い歴史とコック帽!この機会に是非ウンチクに使ってみてください!